この記事ではエコー検査で腫瘍(後腹膜)発見後の精密検査内容、流れについて解説します。
検査の流れ
まずは検査の流れ、内容を紹介します。
エコー検査
腹部エコー検査とは、超音波(エコー)を腹部にあて、内臓から返ってくる反射波をもとに診断する検査です。検査により肝臓、胆嚢、膵臓、腎臓、脾臓などの臓器に異常がないかを見ることができます。検査の際は仰向けに寝て、腹部にゼリーを塗って、その上からプローブ(円形の探触子)を押し当てます。検査時間は異常がなければ10分程度で終了しますが、腫瘍の疑いがある場合は周辺部を綿密に検査するため、20分ほどかかります。
私の場合は、職場の集団検診にて実施され、私一人だけ長時間左腹部をグリグリと様々な角度から結構強く押し当てられましたが、特段痛みは感じませんでした。明らかに異常があったものと感じましたが、検査結果はその場では教えて頂けず、医師の見解を聞いた上で改めて連絡するとのことでした。当日夕方に電話連絡があり、左後腹膜に腫瘍が見つかったこと、がんセンターにて精密検査を受けるよう指示があり、がんセンターの予約を実施しました。
専門医での診察
人間ドックや集団検診を受けた後、より専門的な病院での診察を予約します。診察時にエコー検査の結果から治療方針の説明を受けます。
私の場合は家から近い専門的な病院として2つ紹介されましたが、がんの可能性があることから県立のがんセンターへの予約をお願いしました。すぐに診察を実施頂きたかったですが、集団検診の結果が通知後の予約となるため約1か月後に診察となりました。時間指定の予約だったのですが、予約時間から2時間ほどたってからやっと呼ばれ、内科医の先生から10mm程度の大きな腫瘍が後腹膜にあることを説明されました。現時点では良性、悪性かも判断ができないため、2週間かけて追加で精密検査を実施して、その結果を下に治療方針を相談することとなりました。ただ、いずれにせよ腫瘍のサイズが大きいので切除した方が良いとの見解でした。
胃カメラ検査
胃カメラ(上部消化管内視鏡)検査は、食道・胃・十二指腸の内部を内視鏡で観察する検査で、これらの臓器の異常を見つけるために有用です。内視鏡と呼ばれる先端にカメラを付けた細い管を口または鼻から消化管内に挿入します。口からの場合は、のどの麻酔を行い、検査台に横になり、マウスピースを加えた状態で口から内視鏡を挿入します。場合によっては、胃の運動を抑える薬や緊張を和らげる薬を使用することがあります。一般的な検査時間は5~15分で終了します。
私にとっては検査の中では最も過酷でした。前日から絶食し、検査前に胃の運動を抑える薬(ポカリのような液体)を飲み、のどの麻酔(ゼリー状の液体)を飲み込み(極力、舌に触れさせないよう注意)、検査着に着替えて検査実施。いざ口から内視鏡を挿入しますが、これがしんどい、しんどい。10mmほどの大きさの管を口から無理やり入れるので、嗚咽がすごく、思わず泣いてしまいました。しかし、最初はパニックだったものの喉を通りすぎれば少し楽に、冷静になり鼻から息を吸って、口から出す呼吸もでき、医師からも上手いとほめられました。検査後に医師から「異常はないです」の一言が聞けて、とりあえず一安心でした。
CT検査
CT検査は、X線(放射線の1種)を使って行う検査で、体の周囲からX線をあてて、体の中の吸収率の違いをコンピューターで処理し、体の断面を画像にし、腫瘍の広がりや腫瘍の悪性有無を判断する検査です。ベッドの上にあおむけになった姿勢で行われ、検査の際はベッドが自動で動き、トンネル状の装置の中に入ります。撮影部位によっては、息を止めることがあります。検査全体にかかる時間は10~15分程度で特に痛み等はございません。造影剤を使用する場合は、注射したときに体が熱いと感じることがありますが、一時的なものですので心配ありません。
私が受けた検査の中では最も楽で短時間で終了しました。検査前に検査医から腫瘍の位置的に精巣部も検査した方が良いが、X線を短時間でも当てることになるので不安な場合は止めるがどうする?と聞かれましたが、腫瘍の影響の方が怖いのでYesと答えて検査してもらいました。(今思うとX線当てることの悪影響をもっと聞いといたらよかったです。。)
通常検査はすぐに終わり、造影剤の注射をしましたが、いつもの血液検査等の注射よりも痛みを感じました。(針が太かったのかもしれません。)造影剤は初めてだったのですが、一瞬で下腹部がじんわり温かくなり、久しぶりにお漏らしをした感覚になり驚きましたが、特に痛み等はありませんでした。検査結果はすぐにはわからず、後日診断の時に教えて頂けるとのことでした。
MRI検査
MRI検査は、強力な磁石と電波を使った磁場を用いた検査です。CT検査がX線を使用していたのに比べて体への負担が少ない検査で、体の断面を画像にし、腫瘍の広がりや腫瘍の悪性有無を判断することができます。CT検査よりも濃淡を鮮明に記録することができるため腫瘍の詳細がよりわかるため、良性悪性の確定診断には両方の検査が実施されます。
検査は、撮影する部位にコイルと呼ばれる専用の用具を体に装着し、ベッドに寝た姿勢で行います。検査の際はベッドが自動で動き、トンネル状の装置の中に入ります。磁場を発生させるときに、装置から工事現場のような大きな音がするため、検査中はヘッドホンや耳栓を装着します。検査時間は15~45分で、造影剤を使用することもあります。
検査装置の数も少なく、検査時間も比較的長いため、予約時間から30~60分ほど待っての検査となりました。閉所恐怖症の人は大変だ、という事前イメージを持っていたのですが、トンネル内は非常に明るく、また足元は解放されていることから閉所の恐怖を感じることはありませんでした。音もヘッドホンをしているためそこまで気にはなりませんでしたが、呼吸の指示に従うのが少し大変で、長いと20秒ほど息を止めており、最初は慣れないと息苦しさを感じました。造影剤を使用しましたが、CT検査の時ほど注射時の痛みはなく、検査後も体調が悪くなることはありませんでした。こちらも検査結果はすぐにはわからず、後日診断時に教えて頂きました。
まとめ
上記精密検査の結果を下に専門医と今後の治療方針を決定します。
私の場合は、腎臓の腫瘍は悪性ではなく良性の腎嚢胞の可能性が高い、との診断を内科医から受けました。が、腎臓の専門は泌尿器科であり、泌尿器科医と治療方針を再度相談するべく後日診断を受けました。(続く)